鍛造技術の館 −自動車鍛造品と大野鍛冶に関する展示館−


館からのお知らせ  アクセスマップ  設立にあたって  館内案内図  展示内容説明


館からのお知らせ

ゴールデンウィーク 休館日のお知らせ

2016年4月29日(金)〜2016年5月5日(木)と5月8日(日)、9日(月)を休館日
とさせていただきます。

ご迷惑をおかけしますがご理解・ご協力よろしくお願い申し上げます。
 
休館日変更のお知らせ

2012年4月から、休館日が変更となりましたのでご案内申し上げます。
一部、媒体・パンフレット等が変更前のものになっている場合がございますがご了承下さい。
 
「鍛造技術の館」自動車鍛造品の展示を一部リニューアル
(2006年7月10日)

リニューアルの展示コーナー

(1)「歩留」コーナー

高歩留り化に向けての鍛造の移り変わりについて展示を設けました。ディファレンシャルリングギヤの鍛造工程をビデオ映像で見ることができます。

(2)「開発」コーナー

ネットシェイプ鍛造技術の進展を展示に加えました。3Dアニメーション「ネットシェイプ品の成形工程」をここで見ることができます。



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アクセスマップ




ご利用案内

【車の場合】 国道247号線(西知多産業道路)または
国道302号線東海インター交差点西へ300m
マップコード: 17 753 661*81
【電車の場合】 名鉄常滑・河和線「聚楽園」駅下車タクシーで10分(徒歩不可)
  ※ご来館は原則自動車でお越し下さい。
 

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設立にあたって

“旧きを温ね、新しきを知る”(温故知新)

 愛知製鋼株式会社は、“良き自動車は良き鋼から”という創業者の高き思いから60年前、産声をあげました。以降この創業者の高き思いを胸に、ひたすら良き特殊鋼、良き鍛造品づくりに精励し、今日に致りました。この度、創立60周年という節目にあたりこれまで培ってきたものづくりの匠と技ともいうべき技術・技能を後世に伝承して行きたいとの思いから、この『鍛造技術の館』が生まれることとなりました。
 今回は当社で培ってきた自動車用鍛造品づくりの技術に加えて、鍛造技術・技能のルーツともいうべき地元「大野鍛冶」の伝統の技である野鍛冶の“ものづくりの心と技”も合わせて後世に伝承することと致しました。
 これらの技術・技能伝承を通じて、鍛造業界はもとより、ものづくりに携わる幾多の業界の発展に寄与し、ひいては産業文化の向上に少しでも貢献することになれば、これに勝る幸いはありません。
 なお今回の展示内容は、本事業のスタートの第一歩であります。今後、皆様方のご指導、ご支援によりまして展示内容の一層の充実を図っていく所存でありますので、引き続き暖かいご理解とご協力をお願い致します。
 最後に今回の『鍛造技術の館』設立にあたり、大変多くの方々から資料のご提供やご教示を頂きました。ここに厚くお礼申し上げます。

2000年3月8日


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館内案内図


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展示内容説明

 

 エンジンの高性能化にともない、クランクシャフトは、単純な形状から複雑な形状へと大きく変化してきました。クランクシャフトはエンジンの要の部分で、ねじれと曲げ応力を繰り返し受けるため、強度が求められる部品です。複雑な形状と強度が要求されるクランクシャフト、その鍛造の進化の歴史をみることにします。

 

 切断された材料が、複雑な形状のクランクシャフトにわずか1時間で生まれ変わります。ポイントは、少ない材料・少ない人手・少ないエネルギでいかに造るか。
 また、後工程(機械加工)においても、少ない時間で加工できるよう寸法精度や加工のし易さも重要です。

 

 鍛造品の寸法精度には、加熱温度のばらつき、金型の精度、治具の精度、鍛造品を型から突き出す時の変形、バリ抜き時の変形、曲げ時の変形、熱処理時の変形等、多くの要因が影響します。これらの要因を一つ一つコントロールして寸法精度の向上がはかられてきました。
 ここでは、「取代低減」と「バランスの向上」についてみることにします。
 鍛造品の精度向上により、後工程の簡略化、省エネルギ化が可能となっています。

 

 鍛造品には強度だけでなく、加工のし易さも求められます。そのため鍛造品には品質の高い特殊鋼が使われています。
 これらの特殊鋼は省エネルギ、低コスト、環境対応などの社会的ニーズに応えるためにたゆまぬ研究開発が進められています。

 

 ステアリングナックルは、自動車の重要な保安部品で、操縦性、乗心地等の性能向上に寄与しています。
 この部品は形状が複雑なため、鍛造で伸ばす、曲げる、穴をあける等の工程があり、技術力が要求されます。

 



 鍛造時の材料歩留りを高めることは省資源・省エネルギに役立ち、地球環境に優しい鍛造につながるため、鍛造技術にとって重要な課題です。この課題に向けて、材料、型、潤滑、鍛造設備などの地道な技術の積み重ねがなされてきました。
 これらの技術蓄積により、今では、ローリングミル成形や閉塞鍛造などの革新的な加工法が可能となり、材料歩留りは飛躍的に高められています。


 

 冷間鍛造や熱冷複合鍛造の開発により鍛造品のネットシェイプ化が進展しています。ネットシェイプとは、主要部分が機械加工なしで部品にできる鍛造品のことです。
 ネットシェイプ化の進展は、鍛造設備、加工法、型精度、材料、潤滑等の技術開発によるものです。ネットシェイプ化の取組みをとおして、地球環境にやさしいものづくりに挑戦します。

 

 昭和40年代からの自動車需要の増大に対応するため、鍛造品の大量供給が求められました。鍛造設備、型設計、型加工、型潤滑冷却等の技術進歩に支えられて、生産性は飛躍的に向上し、良質で安価な鍛造品を大量に供給することが可能になりました。

 

 大野鍛冶は、鎌倉時代、近江国から大野谷(愛知県常滑市と知多市にまたがる地域)に移り住んだとされています。
 最初は鐙(あぶみ)や鍔(つば)を作っていたそうですが、農工具を主体に作るようになりました。江戸時代には、185軒もの大野鍛冶がいました。
 大野鍛冶の特徴は「出鍛冶」であったことです。三河や美濃そして信州まで出かけて鍛冶をやっていました。
 備中や鍬は、使う人と土の質によって、柄の角度と刃先の形状を変えて作られました。

 

 古くは大野鍛冶は、鐙や鍔を作っていました。また、農鍛冶の他に、舟釘などを作る舟鍛冶と、金具等を作る小物鍛冶がいました。
 作るものが備中からピンセットまで、広範囲であることも大野鍛冶の特徴です。
 大野鍛冶は正月の2日に、縁起物を鍛冶場で作り、柱や梁に打ちつけて、一年の安全と繁栄を祈りました。
 11月8日には、金山講とよび、金山彦命(ひこのみこと)をまつり信仰していました。

 

 農鍛冶は、道具を作る物にあわせて、自分で工夫して作って一人前と言われました。
 火箸の種類が多いのもうなづけます。
 先手が大槌で鍛えていましたが、ベルトハンマが普及してからは、一人で鍛冶作業ができるようになりました。
 鍛冶の道具には、金床、槌、火箸等があります。金床はその中でも中心となるもので、正月になると飾りつけをして、一年の安全を祈願しました。

 

 大野鍛冶の作ったものの一つに備中があります。備中の作り方は職人によっていろいろと工夫されています。
 また、備中や鍬は、使っていると刃先が摩耗して短くなるため、摩耗した備中や鍬を「さきがけ」という方法で修理しました。
 最初に、磨耗した刃先に地金を鍛接して刃先の長さを調節します。つづいて刃先には刃金を鍛接します。
 その後、研削し、焼入れをして完成させます。

 

 鍛冶屋さんは働き者でした。「足でママ炊く、手で金のばす」というようにフイゴの取っ手を足の指であやつり、釜の火加減をしながら手は休まず槌を打っていました。大野谷の子供たちは、学校帰りに鍛冶屋さんから聞こえる槌の響きに誘われて「鍛冶屋のぞき」に夢中になっていました。


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