2016年1月8日、当社知多工場第2棒鋼圧延工場において、爆発事故が発生いたしました。

近隣住民の皆様、お客様をはじめ関係者の皆様には、多大なご心配・ご迷惑をおかけしましたこと、あらためて深くお詫び申し上げます。

今回の事故の重大性を真摯に受け止め、このような事故を二度と発生させることのないよう、再発防止策を確実に行い、あわせて社内安全管理の強化とお客様に信頼される供給体制の改善と経営基盤の強化に継続的に取り組んでまいります。

概要

発生日時2016年1月8日23時45分
発生場所愛知製鋼(株)知多工場第2棒鋼圧延工場
(主に自動車部品に使用される特殊鋼棒鋼を製造)
対象設備加熱炉
人的被害負傷者なし
物的被害加熱炉の損傷、工場建屋の破損

発生状況

1月8日
22時頃
第2棒鋼圧延工場の操業運転のため加熱炉内点火作業に入る。
1月8日
23時30分頃
オペレーターが加熱炉配管内を燃料である都市ガス(以下ガス)に置換する作業に入る。
1月8日
23時45分頃
パイロットバーナーを点火したところ爆発発生。

事故発生後、直ちに社長をトップとする全社対策本部を設置し、事故状況の把握、社内在庫・代替生産の確認、お客様へのご説明、同業他社様への代替生産の協力要請、関係官庁への説明などを実施いたしました。

事故原因

定期補修後の再稼動において、加熱炉の点火前に行う「エアパージ作業※1」が実施されなかったことに加え、「ガス通し作業※2」で作業手順と異なる作業の実施により、加熱炉内にガスが流入する事態が発生。滞留したガスに点火したパイロットバーナー(火種)の火が引火し事故に至ったと考えております。

※1点火前にブロアを運転し、炉内を換気して爆発を防止するための作業。

※2加熱炉の再稼動時に配管内の窒素ガスを都市ガスに置換する作業。

復旧までの対応

事故発生直後から、当社のBCM※3、BAP※4プランに基づき、在庫確保や社内代替ラインでの生産、同業他社様への代替生産の協力要請を行い、供給体制の構築にあたり、全社一丸となって最大限の努力をしてまいりました。

※3Business Continuity Management(Plan)の略。事業の継続管理・計画。

※4Back up Action Planの略。代替生産計画。

設備の復旧、生産の再開

3月上旬に加熱炉設備の復旧が完了し、関係当局の指摘事項をふまえた諸対策により、今後の操業の安全が確認できたことから、試験生産による設備性能・製品の品質確認評価を経て、3月21日より生産を再開いたしました。

再発防止への取組み

作業手順の見直し、作業者への安全に関わる再教育等による人的対策と、各作業において、「フェールセーフ機能※5」をもたせるための「インターロック機能※6」を追加する物的対策を実施しております。併せて人的、物的両面の対策の全社展開を図ることで、事故を二度と発生させないよう体質の強化を図ってまいります。

  • 1. 第2棒鋼圧延工場における再発防止策

    対策案具体的な対策納期
    人的対策
    ①再教育徹底による理解度向上•エアパージ作業の重要性教育
    •点火作業の安全ポイントの再教育
    16年2月
    完了
    ②作業手順の見直し•チェックシートによる各作業手順完了のWチェック化16年3月
    完了
    物的対策
    ①フェールセーフ機能の追加•エアパージ作業のインターロック機能として「エアパージ条件設定」の追加16年3月完了
    •点火作業のインターロック機能として、点火プラグON時に「エアパージ完了」の条件追加16年3月
    完了
  • 2. 全社展開による再発防止のための体質強化

    対策案具体的な対策納期
    人的対策
    ①作業者のレベル向上•燃焼作業の特別教育と資格認定制度の実施
    •安全道場、点火訓練場設置
    16年9月
    完了
    ②ルール遵守文化の醸成•ルールを大切にする人づくり推進
    •事故の風化防止による「再出発の日1.8」の設定(名称は仮)
    16年4月~
    順次
    物的対策
    ①フェールセーフ機能の追加(全燃焼炉ヨコテン)•安全影響度合いにより、工場内の設備の優先順位をつけ、順次、追加していく。16年4月~
    順次

※5誤操作に対しても安全側に働く機能

※6ある一定の条件が整わないと他の作業に移れない機構(安全装置)

供給体制の強化に向けて

東日本大震災以降、事業継続強化に向けて実施してきた、社内在庫の確保、社内代替ラインでの生産確保、代替生産可能な同業他社様の事前調査および詳細情報のリスト化などにより、早い段階で代替生産量の大枠を確保することができました。

しかしながら、生産面や物流面のリードタイム等が発生したことにより、一部の製品でお客様が必要とされる納期までに、製品が繋がらないおそれが発生し、お客様の生産ラインが一時停止する事態となりました。

今回、お客様の生産活動に影響を及ぼしてしまったことを深く反省すると共に、在庫・代替生産対応の実施状況を検証し、お客様ごとに十分な話し合いを行い、二度とご迷惑をおかけしない供給体制の改善、構築、強化を図ってまいります。

社会・地域からより信頼される企業になるために

全社員が心を一つに、「ゼロからの再出発」を果たし、これまで以上に存在価値ある企業に成長していきます。


知多工場第2棒鋼圧延工場での爆発事故により、自動車の基幹部品となる特殊鋼を製造する企業として、当社のモノづくりが社会に与えている影響の大きさを改めて痛感すると同時に、ステークホルダーの皆様に支えられているからこそ事業活動ができるありがたさや、日頃からの皆様とのコミュニケーションの大切さを肌で感じることができました。

今回の事故を振り返り、顕在化した安全面や生産管理面などの当社の弱い部分を徹底的に解析したうえで、BCM、BAP体制の強化を図りつつ、モノづくりのレベルをさらに上げていくプロジェクト「ステップアッププラン」を策定しました。これにより、全社で課題を共有して確実に実行に移すことで、強い経営基盤を確立し、世界中で「安心・安全」な製品をご提供できるように努めてまいります。

ステップアッププランの概要

実施期間

2016年度より3年間

推進組織