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【BSコラム①】バイオスティミュラントってなに?  鉄力ってバイオスティミュラントなの?

2025.06.02

【BSコラム①】バイオスティミュラントってなに?  鉄力ってバイオスティミュラントなの?

バイオスティミュラントとは、植物や土壌が本来持つ機能を助け、栄養の吸収効率や環境ストレス(乾燥・高温・低温・塩害など)への耐性を改善する資材のことです。近年、農林水産省もガイドラインを公表し、関心が高まっています。

 

「鉄力」は鉄分を効率よく植物に吸収させる働きがあり、例えば低温や低日照などで鉄の吸収力が落ちる際にその効果を発揮します。鉄の栄養供給に加えてバイオスティミュラント資材としての役割も果たします。

  

 

 バイオスティミュラントとは? 

 

2025年5月に農水省から「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドラインが通知され、バイオスティミュラントの定義が次のように記載されました。

 

本ガイドラインにおいて「バイオスティミュラント」とは、農作物又は土壌に施すことで農作物やその周りの土壌が元々持つ機能を補助する資材であって、バイオスティミュラント自体が持つ栄養成分とは関係なく、土壌中の栄養成分の吸収性、農作物による栄養成分の取込・利用効率及び乾燥・高温・塩害等の非生物的ストレスに対する耐性を改善するものであり、結果として農作物の品質又は収量が向上するものをいう。

 

   

 「鉄力」= バイオスティミュラント資材!! 

 

鉄力あぐり・鉄力あくあは、鉄分を供給するという点では栄養そのものですが、「鉄分を吸収しやすくする働き」を持っており、その点でバイオスティミュラントとしての効果があると言えます。また、気象ストレスにより鉄の吸収力が弱まった場合でも、効率よく鉄分を吸収できることから「環境ストレスの対策材」としても効果が期待できます。

 

   

 鉄力のバイオスティミュラント効果 

 

1. 植物は2価鉄を吸収する

  • 土壌中の鉄や一般的な鉄材は3価の鉄で、植物はそのまま吸収することができません。根の表面には「3価鉄を2価鉄に変える還元酵素」があり、2価鉄にすることで根の中に取り込むことができます。

 

2. 低温、低日照によって植物の鉄の吸収する力は弱まる

  • この酵素の力は低温や低日照など気象条件の悪化により弱まります。

 

3. 鉄力は植物が2価鉄を作り出す酵素の力を向上させる

  • 鉄力の成分が根に触れると、還元酵素の力を上げることができます。低温・低日照で鉄欠乏が起こる場合は、還元酵素の力を上げることで、植物が必要な量の鉄を吸収させることができます。

  

 コラム1挿入図1鉄還元活性試験.png 

 

鉄力は2価鉄を含むだけでなく、植物が本来持つ2価鉄を作り出す酵素の力を向上する働きも持っています。

 

 

コラム1挿入図2鉄力の効果.png

 

 

このことから、鉄力は「鉄栄養の吸収を高める」・「低温、低日照による鉄欠乏症状を改善する」バイオスティミュラント効果があると言えます。

 

    

 その他の鉄力の効果 

 

鉄力は以下のような状況にも効果的です。

 

4. 高温時に発症する鉄欠乏

 

5. 成り疲れ(着果負担)による鉄欠乏

 

 

 鉄力の使い方 

 

鉄力の鉄成分は根からも葉からも吸収されます。

 

土壌潅水の場合、5,000倍から20,000倍の希釈。

葉面散布の場合、2,000倍から5,000倍の希釈。

 

使用頻度は7日から10日おきに一回が推奨です。

鉄は転流しにくい元素なので、頻度よく鉄を与えると効果的です。

 

 

 鉄力の安全性 

 

「鉄力あぐり・鉄力あくあ」は2003年から販売され、20年以上にわたり多岐にわたる農作物でご使用いただいています。

 

成分は、生命共通の栄養である鉄分のほか、一般の農業資材で使われる腐植性原料、食品でも使われる有機酸等を使用し、重金属は汚泥肥料の基準を超えていないように分析により確認しています。

 

パブコメに掲載されたガイドライン案より

 

4.安全性の確認

バイオスティミュラント製品を取り扱う場合、事業者は、原材料の性質、使用実績等を踏まえつつ、製品を使用した農作物、ヒト等への安全性をあらかじめ確認すること。その際、以下の確認方法を参考にすること。

(1)農作物への安全性については、3.(3)の栽培試験において有害影響が出ていないことを確認する。

(2)ヒトへの安全性については、①~③のいずれかにより確認する。

① 当該資材を使用した農作物の食経験がある

② 原材料・成分等についての文献検索の結果により安全性が評価できる

③ 製品を用いた安全性試験の結果、有害性が示されない

また、成分分析などにより、定期的に製品の安全性が保たれていることを確認し、必要に応じて改善すること。

なお、確認した情報は、必要な際に参照できるように保存すること。

 

 

 お役立ち情報 

 

BSコラム https://www.aichi-steel.co.jp/sp_info/SPINFO/TetsuRiki-Agri/news/index.html

鉄力基本情報 https://www.aichi-steel.co.jp/sp_info/SPINFO/TetsuRiki-Agri/index.html

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