2025.06.17
【BSコラム③】バイオスティミュラントの期待される効果と選び方
農業の新たなパートナー「バイオスティミュラント」
近年の農業現場では、気候変動による環境ストレスや肥料コストの高騰といった課題に対して「バイオスティミュラント(BS)」という新しいタイプの資材が注目を集めています。
植物が本来持っている力を引き出して、栄養素の利用効率を高めたり、環境ストレスの耐性を高めたりする働きがあり、農薬・肥料・土壌改良資材とは異なった働きの資材として導入が進んでいます。
ただし、すべての課題を解決できる万能な資材ではありません
バイオスティミュラントは、植物にとって望ましくない環境において、植物の能力を引き出す資材であり、「栽培環境と資材の相性」が重要です。
さらに、バイオスティミュラント資材には、アミノ酸系・海藻抽出物系・腐植系・微生物系・微量ミネラル系など多様なタイプがあり、それぞれに特性があります。したがって「どれが一番効くか」という単純な比較ではなく、目的や状況に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
環境ストレス下でも"植物の力"を引き出す――鉄力シリーズの働き
私たち愛知製鋼が展開する「鉄力シリーズ」は、植物が鉄を吸収するメカニズムを応用し、環境ストレスによって起こりやすい鉄欠乏に対応する資材として、多くの農業生産者のみなさまにご活用いただいています。
鉄力は植物が吸収しやすい鉄の形になっており、また、低温・低日照などで弱まってしまう酵素の力を引き出すことにより、環境ストレス下でも鉄分を吸収しやすくする特徴があります。
この鉄力シリーズの作用は、バイオスティミュラントが目指す「植物の潜在力を引き出す」という考え方とも深く通じています。
鉄は植物体内を転流しにくい、つまり再利用しにくい栄養素なので、常に新しい鉄分を吸収する必要があります。
鉄欠乏は、葉色の悪化や成り疲れといった症状を引き起こし、作物の生育や収量に影響することがあります。土壌中や水耕養液中に鉄が含まれていても、環境によっては植物がそれを吸収できないことがあるので、そのような場合は、吸収しやすい「鉄力」シリーズを是非ご活用ください。
これからのバイオスティミュラントと鉄力シリーズ
私たちは、「鉄力シリーズ」を通じて、バイオスティミュラントが日本の農業現場でより身近に、より実践的に使われる存在になるよう取り組んでいます。そして、日本バイオスティミュラント協議会を通じた活動にも引き続き関わりながら、農業の未来に貢献してまいります。
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